G検定とは、一般社団法人 日本ディープラーニング協会より提供されているディープラーニングの基礎知識があり、それを事業に活用する能力があるかどうかを測る資格検定です。
ディープラーニングを含むAI(人工知能)分野は近年注目されており、かつ多くの分野で活用が加速しています。
ディープラーニングと聞くと難しいイメージがありますが、多くの方が利用しているGoogle検索にはRankBrain、Neural matching、BERT、MUMなどの検索アルゴリズムが使われており、これにはディープラーニングが利用されています。
そんな注目されている分野に関連しているG検定だからこそ、将来への投資と考え個人や企業ごとで受験している人も少なくありません。
そんな注目されている分野の知識を体系的に学習できるのがG検定です。
本記事ではG検定について解説します。
具体的にはG検定の試験時間や試験範囲、合格率、難易度などの試験詳細からG検定を習得するメリットやデメリット、G検定に合格するためのおすすめのテキストを解説します。
G検定を現在勉強している/今後勉強する予定の方はぜひご一読ください。
特に記事をご一読していただきたい方
・G検定の出題範囲や合格率など試験詳細について
・G検定に合格するメリットについて
・G検定の資格取得におけるデメリットについて
・G検定合格のためのおすすめ参考書や問題集
・将来的にIT業界やエンジニアとして働く方
G検定とは
G検定は一般社団法人 日本ディープラーニング協会より提供されているデジタル時代である現代に社会人としてAIやディープラーニングの活⽤リテラシーを⾝につけるための資格検定です。
G検定を通して以下6つのことが学習できます。
・AI領域における様々な技術手法
・ディープラーニングとは
・産業活用事例
・活用のために知っておきべきこと
・数理・統計、基礎知識
G検定には、合格者だけが参加できるコミュニティCDLEがあり、ディープラーニングを使っている方や開発している方が多く参加しています。様々な情報交換や交流が日常的に開催されていますので、そこから継続的な学習ができるだけでなく、繋がれることもできます。
なお、経済産業省がオブザーバーを務めるデジタルリテラシー協議会は、社会人が持つべきデジタルリテラシー(Di-Lite)のうち、AI・ディープラーニング領域に関してはG検定の受験を勧めています。
(出典:G検定 ご紹介資料)
上図のように、Di-Liteとはデジタルに関連する人材において共通して身につけるべきデジタルリテラシー範囲です。
G検定とE資格の違い
G検定とE資格の違いについて解説します。
一般社団法人 日本ディープラーニング協会は、G検定のほかに「E資格」という資格検定も行っています。
E資格もディープラーニングに関する資格ですが、E資格は「実装する人材、エンジニア向け」の資格であり、より専門性の高い知識を持ち、適切な手段を選択して実装ができる人材を認定するのが特徴です。
深層学習や機械学習、開発・運用環境などが出題範囲となっており、かつ職種別の合格者を見ても「研究・開発」や「情報システム・システム企画」の方が約70%を占めていることからエンジニア向けということがわかります。
機械学習や深層学習(ディープラーニング)などを開発したい側の方はE資格を受験すると良いでしょう。それ以外の方はG検定の資格取得をおすすめします。
G検定試験
この章ではG検定の概要について詳しく解説します。
G検定について理解したい/受験を検討している方は特に目を通してみてください。
G検定の詳細
G検定の詳細について以下にてまとめています。
試験会場 | オンライン実施(自宅受験)Windows、MacOSによるPC環境での受験を推奨 |
試験日時 | 2022年7月2日(土) 2022年11月5日(土) ※原則として年3回(3月、7月、11月)開催 試験の開催日情報はG検定公式サイトで確認可能 |
試験時間 | 120分 |
出題形式 | 多肢選択式 こちらで例題を確認可能 |
問題数 | 220問程度 ※2022年第1回と第2回の問題数は191問 |
合格点 | 非公開 |
受験料 | 一般:13,200円(税込) 学生:5,500円(税込) 受験日から2年以内は半額(一般:6,600円、学生:2,750円)で受験可能 Courseraの受講修了証を提示すると、30%引き(一般:9,240円、学生:3,850円)で受験可能 |
受験資格 |
制限なし |
試験結果 | 試験の1~2週間後、G検定受験サイトに登録したメールアドレス宛に届く |
再受験対象者の方は半額で受験できますが、過去受験した際のIDでログインし受験申込することで対象者として割引が適用されるため、IDを残しておくと良いでしょう。
G検定の出題範囲
G検定の出題範囲について解説します。
G検定試験の出題範囲は、公式サイトの「G検定の試験範囲(シラバス)と例題」から確認できます。
人工知能とは | 人工知能の定義、人工知能研究の歴史 |
人工知能をめぐる動向 | 探索・推論、知識表現、機械学習、深層学習 |
人工知能分野の問題 | トイプロブレム、フレーム問題、弱いAIと強いAI、シンボルグラウンディング問題 |
機械学習の具体的手法 | 教師あり学習、教師なし学習、強化学習、モデルの評価 |
ディープラーニングの概要 | ニューラルネットワークとディープラーニング、ディープラーニングのアプローチ、ディープラーニングを実現するには、活性化関数、学習の最適化、更なるテクニック |
ディープラーニングの手法 | 畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、深層生成モデル、画像認識分野、音声処理と自然言語処理分野、深層強化学習分野、モデルの解釈性とその対応、モデルの軽量化 |
ディープラーニングの社会実装に向けて | AIと社会、AIプロジェクトの進め方、データの収集、データの加工・分析・学習、実装・運用・評価、クライシス・マネジメント |
数理・統計 |
数理・統計 |
(引用:https://www.jdla.org/certificate/general/)
G検定出題範囲の詳細を確認したい方はこちらよりシラバスをダウンロードしましょう。
G検定を受験するのであれば、効率的な勉強ができるように試験範囲は事前に把握しておきましょう。
G検定の受験者数と合格率
G検定の受験者数は2017年の開催以降、累計受験者数は75,046名、累計合格者数は49,110名、平均合格率は65.4%です。
過去5年間の受験者数と合格率に関しては、以下の数値になっています。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
2018年度 | 4,668名 | 2,876名 | 61.6% |
2019年度 | 15,159名 | 10,824名 | 71.6% |
2020年度 | 26,100名 | 17,172名 | 65.1% |
2021年度 | 20,911名 | 13,217名 | 63.2% |
2022年度 | 6,760名 | 4,198名 | 62.1% |
※2022年6月時点のデータ
※2022年度は第1回のG検定結果のみ反映
G検定の難易度
G検定の難易度を見ていきましょう。直近5年のG検定の平均合格率は65.5%です。
類似した分野での検定である「AI実装検定」の合格率を見てみましょう。
(出典:AI実装検定)
AI実装検定は、日本ディープラーニング協会が実施するE資格やG検定の試験範囲と関わりがあります。
難易度の関係性は以下の通りB級、G検定、A級、E資格、S級の順に難しくなっていきます。
AI実装検定 A級での合格率は77.25%です。
上記を考慮するとG級の方が平均合格率が低く難易度が高いと推測でき、ある程度の学習がないと合格は難しいでしょう。
また、2019年第1回と2022年第1回のG検定業種別における受験者数の全体割合を見てみましょう。
2019年第1回 | 2022年第1回 | |
情報処理・提供サービス業 | 33.09% | 18.06% |
製造業 | 13.85% | 16.29% |
ソフトウェア業 | 28.14% | 14.75% |
金融・保険業・不動産業 | 4.74% | 9.5% |
大学生 | 4.25% | 9.41% |
3年前と比較してやはりディープラーニングやAI(人工知能)の基礎知識が身につけられるだけあって、情報処理・提供サービス業やソフトウェア業、製造業などのITが密接に関わってくる業種での合格者割合が依然として多いです。
しかし、近年では金融・保険業・不動産業や大学生の合格者数が増加していることがわかります。
FinTechという言葉がある通り、金融業をはじめとし保険業や不動産業はIT分野(特にAI(人工知能)やディープラーニング分野)と密接につながっており、知識として持っておくべき時代になりつつあるためでしょう。
また、大学生についても学生時代からエンジニアとして活躍する方や情報社会の中、IT分野に興味/関心を持つ方が近年多くなっていることが要因の1つでしょう。
G検定の申し込み手順
G検定の申し込み手順は以下の通りです。
2.はじめての場合、新規アカウント作成を行う
3.「受験申込はこちら」をクリックし、アカウトのメールアドレスとパスワードを使ってログイン
4.受験申込の完了後、受験料の支払う
※支払い方法はクレジットカードかコンビニ決済
申込期限内に完了させなければ受験ができないため、余裕をもってG検定の申し込みを行いましょう。
試験1か月前より、申し込み開始日の詳細がホームページやFacebookページに掲載されます。
決済手続きが完了してしまうと、キャンセルや返金は受け付けられないので、確実に受験ができるタイミングで申し込みを行いましょう。
G検定の受験当日までにこちらの操作マニュアルに目を通しておきましょう。
試験の途中で一時停止はできないため、万全の体制で試験に臨むことをおすすめします。
G検定の有効期限
G検定の資格には、有効期限が設定されていません。
そのため1度受験に合格すれば、そのまま資格を使い続けることができます。
G検定の試験範囲であるディープラーニングは最先端技術の中の1分野であるため、日々開発が行われています。
資格取得後も最新情報を定期的にチェックしたり、積極的な学習を行うとよりG検定が活きるでしょう。
G検定の勉強時間
G検定に合格するために必要な勉強時間は、だいたい30〜40時間程度でしょう。
1日1時間の勉強を確保できる場合、1ヶ月間集中できれば合格の確率を高められるでしょう。
もちろんG検定合格までの勉強時間には個人差があり、IT知識が少ない方はより長い勉強時間が必要です。
一方でディープラーニングなどIT知識がある方はもっと短い勉強時間で済むケースもあるでしょう。
上記時間はあくまでも目安であるため、基礎知識や学習効率、理解度により個人差が大きく生じるため参考としてお考えください。
G検定の資格取得メリット
この章ではG検定の資格取得メリットについて解説します。
G検定を含む試験勉強を本格的に行う前にその試験を受験する目的を改めて考えましょう。
もしかしたらその試験勉強自体が不要な場合も大いにあり得ますので、少しの時間でも良いので受験する目的を考えてから受験するようにしましょう。
ディープラーニングやAI(人工知能)の基礎が体系的に学習できる
G検定の資格取得メリットとしてディープラーニングやAI(人工知能)の基礎が体系的に学習できることが挙げられます。
AI(人工知能)の概要や機械学習の代表的な手法、ディープラーニングの概要や手法、ディープラーニングやAI(人工知能)の社会実装など、大枠の部分から深い知識まで一貫した知識を身につけられます。
ディープラーニングやAI(人工知能)分野は、将来的に大きく躍進する分野の1つとなり得るでしょう。
G検定を習得しておくことで多くのシーンで活躍できる人材として重宝されるでしょう。
転職・就職に有利に働く可能性がある
G検定の資格取得メリットとして転職・就職に有利に働く可能性があることが挙げられます。
G検定を取得しても即戦力として採用されるケースはないですが、AI・ディープラーニングの活⽤リテラシーを⾝につけることによりIT業界をはじめとする転職や就職に有利に働きやすくなるでしょう。
業界によっては就職や転職に有利にならない場合もありますので、適当な業界で働く方はG検定の資格取得を検討してみましょう。
資格手当や報奨金を貰える可能性がある
G検定の資格取得メリットとして資格手当や報奨金を貰えることが挙げられます。
ある企業ではG検定に合格すると、10,000円の報奨金がもらえる制度や資格手当で年間60,000円の増収する制度もあります。
例えば、ソフトバンクではG検定合格者に20,000円と受験料を付与しています。
知識を証明でき、かつ年収の増加も記載できるためG検定の受験を検討してみましょう。
G検定の資格取得デメリット
この章ではG検定の資格取得デメリットについて解説します。
G検定を含む資格取得はメリットに目が行きやすいですが、しっかりデメリットも考慮した上で試験勉強を始めましょう。
勉強する時間が必要
G検定の資格取得デメリットとして勉強する時間が必要ということが挙げられます。
つまりある程度の時間を犠牲にする必要があるということです。先述した学習時間では約30〜40時間です。
仮にG検定が自分の目的において不必要な資格であるなら時間を無駄にしてしまいます。
自分の時間を削り勉強時間に費やす可能性があることを念頭に改めてG検定の受験が必要なのかを考えましょう。
G検定合格のためのおすすめのテキスト
この章ではG検定合格のためのおすすめテキストについて解説します。
ぜひ参考にしてみましょう。
深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第2版
(出典:Google)
この本はディープラーニング G検定 公式テキストの改訂版であり、ディープラーニングに関する入門書としても最適なテキストです。
試験運営団体である「日本ディープラーニング協会」が監修であり、改訂された新シラバスに完全準拠しています。
章末問題を増量しておりかつ分かりやすい解説付きとなっていますので、G検定を受験する方にとっては必須のテキストです。
徹底攻略ディープラーニングG検定ジェネラリスト問題集 第2版 徹底攻略シリーズ
(出典:Google)
この本は2021年春に公開された最新シラバスに沿って収録問題を増補されたG検定受験者は読んで欲しい問題集です。
最新技術動向としてDX、自然言語処理、音声認識、強化学習最新技術などの近々の出題傾向も抜かりなく学習できるだけではなく実際の試験と同等の出題数による模擬試験「総仕上げ問題」もあります。試験直前の実
力診断までサポートしているため、G検定を受験する方はおすすめの問題集です。
最短突破 ディープラーニングG検定(ジェネラリスト) 問題集
(出典:Google)
この本は、最新のG検定を分析し、重要な箇所を網羅した問題集です。
他テキストに少ない「深層強化学習」の問題・解説が充実しており、さらに解説だけで170ページ以上と詳しく解説してくれているため、知識がない方でも機械学習や深層学習の仕組みをしっかり理解できます。
その他、重要なキーワードが見れる「用語解説」を各章に記載しています。
G検定に向けてしっかりと機械学習や深層学習の仕組みを理解し合格を目指したい方におすすめの問題集です。
過去問もしっかり解こう
G検定の合格を目指すのなら、過去問を解くことも重要です。
模擬テストが無料で受けられるサイトや日本ディープラーニング協会で公開されている例題やシラバスの試験範囲を確認し、具体的にどのような問題が出題されるのかを傾向を把握しておきましょう。
G検定はカンニングして問題ないの?
G検定と検索すると、「G検定カンニング」という検索結果が出てきます。
G検定はWebで受験するため、試験中はテキストや問題集、Webでの検索が可能です。
しかし、試験時間(120分)に対して問題数(191〜220問程度)と膨大な量があるため、勉強せずに当日検索などカンニングしながら合格することは困難です。
カンニングペーパーを作成しての受験はおすすめはしませんが、それでもカンニングペーパーが必要という方は自己判断で作成を行いましょう。
まとめ
本記事ではG検定について解説します。
具体的にはG検定の試験時間や試験範囲、合格率、難易度などの試験詳細からG検定を習得するメリットやデメリット、G検定に合格するためのおすすめのテキストを解説しました。
G検定はAI(人工知能)やディープラーニングの活⽤リテラシーを⾝につけるための資格検定です。
IT未経験者や知識があまりなくでも、しっかりと勉強することで資格合格できる試験です。
G検定を取得することによって、AI(人工知能)やディープラーニングの基礎を体系的に学習できたり、就職や転職に有利になり得るなどのメリットも多いです。しかし、G検定が自分の目的に対して必要かどうかを見極めることがまず重要ですので試験の情報収集と合わせて考えてみましょう。
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