フリーランスのデータベースエンジニアになる場合、世界規模で使われているリレーショナルデータベース管理システム「Oracle」に特化した「Oracleエンジニア」として働くことも考えられます。
Oracleは未だ多くの企業で使用されるシステムであり、それを扱えるプロフェッショナルであるOracleエンジニアにも多くのフリーランス案件・求人が用意されているのです。
本記事ではOracleエンジニアのフリーランス案件・求人の実情と、仕事内容、単価相場、将来性などを検証していきます。
データベース開発の仕事をフリーランスでしていきたい方や、Oracleエンジニアにどのようなフリーランス案件・求人があるのか気になる方はぜひチェックしてみてください。
Oracleとは
Oracleとは、一般的に「Oracle Database」というデータベース管理システムを指します。
Oracle Databaseはデータベースの管理や運用を行うためのソフトウェアであり、1979年に世界で初めてリリースされた「RDBMS」として有名です。
RDBMSとは「リレーショナルデータベース管理システム」のことで、保管するデータを「行(レコード)」と「列(カラム)」で管理できます。
具体的にOracleには、以下のような特徴・システムがあります。
・同時に多くのユーザーのリクエストに応えられる「行レベルロック」
・検索時点でのデータがしっかりと読み取られる「読み取り一貫性」(ダーティ・リードの防止)
・ビジネスごとのニーズに対応できる拡張機能
Oracleは上記のような特徴を持ち、WebアプリケーションやWebシステムなどの開発案件・求人に活用されています。
変わらないアーキテクチャを持つため、これまで培ってきたIT関連のノウハウを有効活用でき、大企業の基幹システムでも活用事例が多いです。
データベースシステムとして世界的なシェアを取得していることから、多種多様な開発案件を確認できるのも特徴だと言えるでしょう。
Oracleのデータベースで開発業務を行えるのが、Oracleエンジニアです。
OracleエンジニアもOracleの需要に引っ張られる形でニーズが高まっていて、現在も多くの案件を確認できます。
フリーランスでの活躍も可能で、能力次第では高単価のフリーランス案件・求人で働き続けることもできるでしょう。
Oracleフリーランス案件・求人の種類
Oracleエンジニアのフリーランス案件・求人には、大きく分けて以下のような種類があります。
それぞれの特徴をチェックすることは、自分にどのようなフリーランス案件・求人が向いているのかを考えるきっかけにもなります。
以下でフリーランス案件・求人の種類ごとに、どのような特徴が見られるのかを確認してみましょう。
Webアプリケーション開発フリーランス案件・求人
「Webアプリケーション開発」に関する案件・求人は、Oracleエンジニア向けに多数提供されています。
Oracleでの開発経験はもちろん、Java、VB.NET、PL/SQLなどの知識を用いてWebアプリ開発をした経験があるのかも問われることが多いです。
Webアプリケーション開発ソフトの「Oracle Forms」などの経験も、必要スキルとして求められるケースがあります。
Oracleは「Oracle Application Express(APEX)」などのアプリケーション開発ツールを提供しているため、関連ツールの使い方を把握しておくこともフリーランス案件・求人の獲得につながっていくでしょう。
フリーランス案件・求人の特徴としては、スタートアップ系の企業が新規参入のために、Webアプリ開発を依頼するケースも見られる点が挙げられます。
上流工程から携わるフリーランス案件・求人も多いため、要件定義や基本設計の経験が問われ、即戦力として期待されるケースが多いです。
Webシステム開発フリーランス案件・求人
Oracleエンジニアのフリーランス案件・求人には、「Webシステム開発」に関するものも多いです。
また基幹システムの開発が多く、詳細設計からテスト、その後の運用・保守まで案件に含まれることがあります。
Oracleでの開発経験に加えて、JavaやVB.NET、PL/SQLなどの開発経験を求める傾向があります。
MySQLやPostgreSQLなど、Oracle以外のデータベース構築経験をスキルとして求められるケースもあります。
フリーランス案件・求人を募集している業界は金融、不動産、証券、保険、小売り、流通、メーカーなど豊富です。
さらに大規模なフリーランス案件・求人も多く、PL(プロジェクトマネージャー)経験の有無を問われることもあります。
Oracleフリーランス案件・求人の単価相場
Oracleのフリーランス案件・求人の単価相場は、一般的なエンジニアと比較しても高くなっています。
平均単価 | 中央値単価 | 最高単価 | 最低単価 | |
---|---|---|---|---|
Oracle | 61.3万円 | 60万円 | 165万円 | 20万円 |
(参照:Oracleのフリーランス求人・案件 月額単価相場)
上記フリーランススタートにおけるOracle案件の平均単価を参考にすると、Oracleエンジニアの平均年収は約736万円となります。
Oracleの経験年数によって単価相場は変わり、例えば以下のような年収を想定することができます。
Oracle実務経験年数 | Oracle単価/年収 |
---|---|
Oracle経験1年未満 | 30万円前後 (年収360万円) |
Oracle経験2年未満 | 36万円前後 (年収432万円) |
Oracle経験3年未満 | 51万円前後 (年収612万円) |
Oracle経験4年未満 | 60万円前後 (年収720万円) |
Oracle経験5年未満 | 72万円前後 (年収864万円) |
一般的な会社員エンジニアの平均年収が約469万円となることから、Oracleのフリーランスエンジニアはかなり良待遇のフリーランス求人・案件が多いと判断できるでしょう。
比較対象として会社員のデータベースエンジニアの年収も参考にすると、平均約553万円という結果になっています。
Oracleフリーランスエンジニアの年収は、会社員エンジニアと比較しても高いことから、フリーランスへと独立するきっかけになるでしょう。
Oracleフリーランスエンジニアだけでなく、他フリーランスエンジニアの多くは会社員エンジニアよりも高い年収を実現するケースが多いです。
その理由は、フリーランスならではの以下特徴が関係していると考えられます。
・単価が経験やスキルによって決まる「実力主義」である
・条件次第で単価交渉を行うことができる
・スケジュールを調整することで仕事量を増やせる
・IT業界全体が人手不足であるためエンジニアの需要が高い
Oracleフリーランスエンジニアとして働くことは、会社との間に雇用関係がないため、収入が安定しないなどのデメリットもあります。
しかし、近年はフリーランスとしてフリーランス案件・求人を獲得しやすい環境ができあがりつつあります。
エンジニアの需要も高まっているため、デメリットを補って余りあるメリットを見つけられます。
フリーランス案件・求人の獲得方法やOracleフリーランスエンジニアの働き方をきちんと理解することで、年収を高めていくことができるでしょう。
Oracleのリモートワーク案件・求人事情
Oracleのリモートワーク案件・求人は、フリーランススタートを参考にすると2021年3月時点ほとんどありません。
数値で見ると常駐案件・求人363件(95.8%)に対して、リモートワークの案件・求人は16件(4.2%)となっています。
Oracleのフリーランス案件・求人は、圧倒的に常駐案件が多いのが現状です。
これはOracleエンジニアの案件・求人に上流工程から関わるものが多いため、細かな連携が必要になやすいことが関係していると考えられます。
また、基幹システムなどのフリーランス案件・求人も多く、セキュリティの観点からリモートワーク案件・求人が少ないことも考えられます。
リモートだけでは充実した業務ができないという、企業側の判断があることがうかがえるでしょう。
しかし、近年はオンプレミスではなくクラウドによる開発環境が充実していることも、リモート案件・求人が今後増えていくことも考えられます。
Oracleもクラウドサービス「Oracle Cloud Infrastructure」を展開しているので、新たな環境を導入可能です。
Oracle Cloud Infrastructureはオンプレミスと同様の環境が用意されているため、クラウドへの移行にかかるコストを抑えられる点でも注目されています。
会社のデータセンターにクラウドの環境を作ることも可能なので、Oracleを使用している企業としてはメリットです。
クラウド環境が今後も企業に浸透していくと考えられるので、Oracleフリーランスエンジニアもリモート案件・求人で働ける機会が増すと考えられます。
リモートワーク案件・求人が豊富なdoocyJob(ドーシージョブ)を見てみる↓
Oracleの週2日・週3日フリーランス案件・求人事情
Oracleの週2日・週3日で働けるフリーランス案件・求人は、フリーランススタートを参考にすると2021年3月時点で1件とほどんとありません。
短時間で終了するフリーランス案件・求人ではなく、常駐として業務に取り組むフリーランス案件・求人が基本になっていると考えられます。
副業で働くOracleエンジニアと仕事を取り合うことがないため、フリーランス案件・求人を獲得しやすくなるでしょう。
週2日・週3日フリーランス案件・求人への参画を希望しているフリーランスエンジニアはOracleスキルを活かせるインフラエンジニアなど、少し担当領域を広げてみると良いでしょう。
Oracleフリーランスエンジニアの必要スキル
Oracleのフリーランスエンジニアとして働く場合には、以下のようなスキルが必要とされます。
スキルの有無はフリーランス案件・求人の採用率に関係し、単価にも影響を与えるでしょう。
特に重要なスキルについて解説するので、Oracleフリーランスエンジニアを目指すときの参考にしてください。
Oracleなどデータベース関連の開発経験や知識
Oracleをはじめとしたデータベースでの開発経験や知識は、多くのフリーランス案件・求人で必要とされるスキルです。
Oracleでの基盤設計、構築、テストなどの経験は、フリーランスとしてスムーズに案件・求人に取り掛かるために欠かせません。
Oracleのデータベースでこれまでにどのような経験をしてきたのかを、実績として公開できるようにしておくことがおすすめです。
Oracleフリーランスエンジニアとしてフリーランス案件・求人の獲得を目指すのなら、MySQL、PostgreSQL、Microsoft SQL Serverなどのデータベースでの開発経験・知識も重要なスキルです。
同じデータベース開発という枠組みになるので、過去の開発経験や作業工程がOracleでの仕事に役立つこともあります。
システム開発経験や知識
Oracleのフリーランスエンジニアとして働く際には、システム開発全般の経験や知識も必要なスキルです。
開発に必要なプログラミング言語やソフトウェアは可能な限り確認し、実際に経験として積んでいくことがおすすめです。
例えばデータベース業務に必須となる「SQL」の知識は、間違いなく習得しておく必要があるでしょう。
同時にJava、VB.NET、PL/SQL、PHPなどの知識やLinux、UNIX、Windows、AWSなどインフラ開発経験や知識があると、応募対象となるフリーランス案件・求人の幅が広がります。
Oracleのフリーランス案件・求人獲得のためには、セキュリティに関する知識を持つことも重要です。
アクセス制御やデータ暗号化の実装などを含めて、堅牢性を高められる基礎を把握しておくこともフリーランスとしての活躍につながるでしょう。
また、ビックデータを取り扱う知識やデータサイエンティストに関する知識も、あると良いスキルになります。
上流工程やマネジメント経験
Oracleのフリーランス案件・求人には、上流工程やマネジメント経験が必要スキルとされることも多いです。
企画、要件定義、設計、見積りといった上流工程の経験があることで、プロジェクトをリードするフリーランスエンジニアとして案件・求人により参画しやすいです。
同様にマネジメント経験があると、チームのスケジュール管理やタスクの調整などを行えると期待されるので、Oracleフリーランスエンジニアとして優秀な人材だと判断されやすくなるでしょう。
また、上流工程やマネジメントのスキルを充実させることは、コミュニケーション能力をアップさせることにもつながります。
Oracleフリーランスエンジニアはさまざまな人たちと連携して業務を進めていくものなので、コミュニケーションスキルも重要です。
積極的に上流工程やマネジメント経験を積んで、Oracleフリーランスエンジニアに必要なスキルを充実させていきましょう。
Oracleフリーランスエンジニアは未経験でもなれる?
エンジニアとして未経験の場合、Oracleのフリーランスエンジニアになることは基本的に難しいです。
Oracleフリーランスエンジニアの仕事は多くの場合データベース関連の業務経験が求められ、即開発に移れる人材が採用されます。
そのため一からエンジニアとして育成してくれるケースはほとんどなく、未経験というだけでフリーランス案件・求人の採用を見送られることもあるでしょう。
一方でOracle Databaseが未経験でも、その他のデータベースで開発経験がある場合、フリーランスエンジニアとして活躍できる可能性があります。
「ORACLE MASTER」などのベンダー資格もあるので、資格取得とデータベースの実務経験と合わせれば、未経験でもフリーランス案件・求人獲得につなげられる可能性は高いでしょう。
Oracleフリーランス案件・求人獲得方法
Oracleのフリーランスとして案件・求人の獲得を目指すときには、以下のような方法が考えられます。
それぞれの方法を確認して、フリーランス案件・求人をスムーズに獲得できるように備えましょう。
フリーランスエージェントの活用
Oracleのフリーランス案件・求人を獲得する際には、フリーランスエージェントを使うことがおすすめです。
フリーランスエージェントには多数のOracleフリーランス案件・求人があるため、自分の求める仕事内容にマッチしたものを選べます。
フリーランス案件・求人を探したり単価を交渉したりといった営業活動も代行してくれるので、業務にだけ集中できるのも魅力です。
困ったときにはフリーランスエージェントに相談ができるので、孤独になりやすいフリーランスエンジニアにとって心強い味方になります。
Oracleのフリーランスエンジニアとして案件・求人を探すことを決めたときには、まずいくつかのフリーランスエージェントに登録することから始めてみましょう。
SNSで捜索
Oracleのフリーランス案件・求人を獲得するときには、SNSも重要なツールになります。
SNS経由でフリーランスエンジニアの募集を行っているケースもあるため、こまめに情報収集を行うことで意外な高単価案件・求人を獲得できるかもしれません。
SNSは自分のポートフォリオなどをアップする場としても優良なので、SNS経由で直接オファーが届く可能性もあります。
また、SNSで他のフリーランスエンジニアとつながることで、案件・求人を紹介し合うことも可能です。
Oracleのフリーランスエンジニアとして活動していることを伝えれば、関係者から新規の仕事を依頼されることにも期待できます。
フリーランス案件・求人を探すときにはSNSを使って、他フリーランスエンジニアとも広くつながりを持つことを意識してみましょう。
知人からのフリーランス案件・求人紹介
Oracleのフリーランスエンジニアとしてフリーランス案件・求人を探すときには、知人からの紹介も重要な窓口になります。
知人であれば自分のスキルや得意分野について理解してくれていることが多いので、ぴったりのフリーランス案件・求人を紹介してくれることがあります。
特に正社員時代の同僚や上司など、フリーランス案件・求人と関わり合いの強い人たちとのつながりはキープしておくことがおすすめです。
これから仕事を請け負っていくなかで、新たな知人を作っていくこともポイントです。
仕事先に知人と呼べる関係性を作れれば、またそこから新たにフリーランス案件・求人を紹介してもらえるようになるかもしれません。
Oracleのフリーランス向け案件・求人を獲得できる可能性を広げるために、知人による伝手も大切にしていきましょう。
クラウドソーシングサービスの活用
Oracleのフリーランス案件・求人を獲得するときには、クラウドソーシングサービスの活用も考えられます。
クラウドソーシングにはOracleエンジニア向けの案件・求人もあり、条件にマッチしていれば自由に応募することが可能です。
まだエンジニアとしての経験が浅い場合でも応募しやすいので、これから実績を積んでいきたいときにも役立ちます。
一方で単価が安い案件・求人が多く、クライアントによって対応に差が生じることもあるので、使い方には注意が必要です。
Oracleエンジニアとして数年ほど実務経験がある方や実績がある方はあまりおすすめしません
Oracleフリーランス案件・求人の将来性はどうなの?
Oracleのフリーランス向け案件・求人は、将来的に増えていくと予想できます。
Oracleをはじめとしたデータベースは、AI(人工知能)やビッグデータなどの新たな領域が増えた現代のIT業界でも、必要不可欠です。
まだまだ多くの企業でOracleなどのデータベースは用いられ、WebアプリやWebシステムの開発に活用されています。
進化していくIT業界でも、データベースエンジニアは変わらずにその立ち位置を保つことができているのです。
Oracleは高いシェアを誇るデータベースであるため、対応できるOracleエンジニアが必要とされる機会は多くなるでしょう。
一時は多くの企業がクラウドへの転換期にあたり、その結果Oracleを含めたデータベースエンジニアが減少しました。
しかし、Oracleエンジニアが減ったからといって、Oracleの価値が低下するわけではありません。
むしろ社内にOracleに対応できるエンジニアが少なくなっていることも多いため、相対的に需要は高まっているといえます。
また経済産業省の調査「IT人材需給に関する調査」によると、2030年までに最大で約79万人のエンジニアが不足する可能性があることも示唆されています。
つまり、Oracleエンジニアを含むITエンジニアが不足している昨今の事情も合わさり、Oracleフリーランス案件・求人は増えていくと期待できるでしょう。
まとめ
Oracleのフリーランス案件・求人は、現時点でも多く見受けられます。
フリーランス案件・求人の探し方や今後の将来性を把握することは、Oracleエンジニアのフリーランスとして働くきっかけにもなるでしょう。
この機会に本記事を参考にして、Oracleエンジニアとして本格的に動き出す準備をしてみてはいかがでしょうか。
Oracleフリーランスエンジニアの将来性について、今後エンジニアとして長く活躍するのであればOracleを含むデータベース開発の際に要求されるスキルなどを身に付けることも大切です。
本記事が皆様にとって少しでもお役に立てますと幸いです。