コロナの影響によりリモートワークやテレワークが推奨されている中、フリーランスエンジニアは人気の高い職業です。
実際にフリーランスエンジニアへの転職を考えた際に「エンジニアはフリーランスで活躍できるのか」「フリーランスエンジニアとして案件を継続的に受注できるのか」「未経験からでもフリーランスエンジニアになれるのか」など疑問を持つ方も多いかと思います。
今回、本記事は人気のあるプログラミング言語であるPHPに焦点を当て、PHPフリーランスエンジニアの実情を詳しく解説します。
具体的には、PHPの概要、PHPフリーランス案件・求人の単価相場、PHPのリモートワーク案件事情、PHPの週2日・週3日フリーランス案件・求人事情、PHPフリーランスエンジニアの必要スキル、PHPフリーランスエンジニア、PHPフリーランス案件・求人獲得方法、PHPフリーランスエンジニアの将来性について解説します。
特に下記の方にこの記事を一読していただきたいです。
・PHPフリーランスエンジニアを今後検討している方
・PHPに興味/関心がある方
・PHPフリーランス案件・求人の単価相場を知りたい方
・PHPフリーランスエンジニアの市場動向や将来性を知りたい方
PHPとは
この章ではPHPの概要について解説していきます。
PHPは1996年に開発された動的にWebページを生成することができるサーバーサイドのスクリプト言語です。
PHPの正式名称は「PHP:Hypertext Preprocessor」です。
PHPはC言語、Perl、Javaなどの影響を強く受けており、RubyやPythonと比べてC言語に近い制御構文を有しています。
PHPは、Webアプリケーション、Webシステム、Webサイト制作、業務システム、モバイルゲームなど様々な開発に使用されています。小規模のWebサイト制作から大規模システム開発まで幅広く開発が出来ます。
さらにWordPressはPHPを用いています。
PHPは掲示板や、ショッピングカート、問い合わせフォームなど、動的なWebページの生成を必要とするアプリケーションに使用されています。
たとえばユーザーが購入した商品の種類や数によってショッピングカート内に表示される確認画面の内容は変更します。これらはPHPによって実現しています。
PHPの特徴は以下をご覧ください。
・動的型付け言語
・Webアプリ・サービス開発に特化した言語
・シンプルで簡潔な構文
・自由度が高い
・脆弱性が発見されることもある
・ライブラリが充実している
・小規模開発から大規模開発まで幅広く活用されている
・初心者に優しい人気言語
・人気が高いため、参考書やオンライン学習サービスで取り扱われることが多い
・PHPフレームワークが充実している【Laravel、CakePHP、FuelPHP、Symfony、CodeIgniter、ZendFramework、Phalcon、Slim、Yii、Flight】
意外に混同しがちなPHP、HTML、JavaScriptの違いについて説明します。
PHPは動的にWebページを生成します。HTMLは静的にWebページの表示を行います。
「動的なWebページ」は、アクセスのタイミングにより表示内容が変わるページを指し、「静的なWebページ」は、誰がいつ閲覧しても同様に表示されるページを指します。
「動的なWebページ」の例として、掲示板はユーザーごとの発言が増える度に表示される内容が変わります。つまり掲示板にはPHPが使用されており、PHPによって動的にHTMLを生成して表示することが可能です。
Webページ生成の際、頻繁に使用されるプログラミング言語はPHPの他に、JavaScriptがあります。
PHPはサーバーサイドの言語であり、JavaScriptはクライアントサイドの言語です。
PHPの処理はWebサーバー側で行われるのに対して、JavaScriptの処理はWebページを参照するクライアント(ユーザー)側のブラウザで行われます。
PHPフリーランス案件・求人の単価相場
この章ではPHPフリーランス案件・求人の単価相場について解説していきます。
PHPフリーランス案件・求人の月額単価相場は次のようになっています。
平均単価 | 中央値単価 | 最高単価 | 最低単価 | |
---|---|---|---|---|
PHP | 65.6万円 | 65万円 | 200万円 | 20万円 |
また、PHPフリーランス案件・求人の実務経験年数別の単価相場は以下の通りです。
PHP実務経験年数 |
PHP単価/年収 |
---|---|
PHP経験1年未満 | 33万円前後 (年収300万円) |
PHP経験2年未満 | 39万円前後 (年収468万円) |
PHP経験3年未満 | 55万円前後 (年収663万円) |
PHP経験4年未満 | 65万円前後 (年収780万円) |
PHP経験5年未満 | 78万円前後 (年収936万円) |
(参照:フリーランススタート PHPのフリーランス求人・案件 月額単価相場)
PHPフリーランス案件・求人の平均単価は65.6万円です。最低単価20万円〜最高単価は200万円まで幅広くあることがわかりました。
PHPフリーランス案件・求人の月額単価相場を年収に換算すると、787.2万円です。
年収を比較をしやすいようにPHPの会社員エンジニアを見てみましょう。
会社員におけるPHPエンジニアの平均月収は41.3万円であり、年収に換算すると約496万円です。
PHPフリーランスエンジニアの年収の方が会社員のPHPエンジニアの年収と比較して約1.6倍高いことがわかりました。
PHPフリーランスエンジニアの方が収入が高いため、高収入を希望しているエンジニアはフリーランスエンジニアを選択すると良いでしょう。
PHPのリモートワーク案件事情
この章ではPHPのリモートワーク案件事情について解説していきます。
「PHP リモート」をフリーランススタート(2021年2月時点)上で検索すると680件です。
PHPのリモートワーク案件は、今後増加していくでしょう。
その理由として、PHPは小規模開発から大規模開発まで、幅広く活用されていること、IT技術の発展によりさらにセキュリティ面が改善していくことなどの要因でしょう。
また、現在世界中で蔓延しているコロナの影響もリモートワーク案件が増加していく要因となるでしょう。
PHPを使用したフリーランス案件・求人としては、仕様がある程度固まっているウォーターフォール型開発プロセスを採用している現場と、作りながら仕様を固めていくアジャイル型開発プロセスを採用している現場の両方が混在しています。
ウォーターフォール型開発である事業会社に常駐する働き方の場合、事業会社に常駐することが必要です。
リモートワークで開発するという働き方が認められないケースが多く、リモートワークを希望しているPHPフリーランスエンジニアは、アジャイル型開発を採用しているフリーランス案件・求人へと参画してみましょう。
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PHPの週2日・週3日フリーランス案件・求人事情
この章ではPHPの週2日・週3日フリーランス案件・求人事情について解説していきます。
「PHP 週2日・週3日」をフリーランススタート(2021年2月時点)上で検索すると286件です。
PHPの週2日・週3日フリーランス案件・求人をフリーランススタート上で閲覧するとアプリ開発、Saas開発、Webメディア制作などがありました。
また週2日や週3日でも月収80、90万円など高単価なフリーランス案件・求人も増えています。
PHPフリーランスエンジニアとして、複数のフリーランス求人に参画できるため、様々なプロダクトやサービス開発に携われたり、豊富な実績が作れます。
PHPの週2日・週3日フリーランス案件・求人を希望しているあるいは、様々な開発経験を積みたいPHPフリーランスエンジニアにおすすめです。
PHPフリーランスエンジニアの必要スキル
この章ではPHPフリーランスエンジニアの必要スキルについて解説していきます。
PHPフリーランスエンジニアとして案件を獲得したい方は自分のスキルと照らし合わせてみてみましょう。
PHP関連の実務経験や知識
PHPフリーランスエンジニアに必要なスキルはPHP関連の実務経験や知識です。
PHPフリーランスエンジニアとしてJava、Ruby、Perl、Python、JavaScript、C++、C#、HTML/CSSのプログラミング言語スキルやWordPressを含むCMSの経験、LAMP(Linux、Apache、MySQL、PHP/Perl/Python)環境を用いた実務経験など、PHP以外の知識は持っておきましょう。
またフロント開発経験や、サーバー、データベースを含むインフラ開発経験や知識があると尚良いでしょう。
PHPフリーランスエンジニアとして、単価アップを狙うため、新しい関連技術をキャッチアップすることに努め、積極的に習得してみましょう。
Webサイト制作やWebシステム、アプリの開発経験
PHPフリーランスエンジニアに必要なスキルはWebサイト制作やWebシステム、アプリの開発経験です。
開発経験の中でもフロントやサーバーサイドの実務経験や知識があると尚良いでしょう。
PHPフリーランスエンジニアの方は上記開発経験を積むことをおすすめします。
PHPフレームワークやライブラリの開発経験
PHPフリーランスエンジニアに必要なスキルはPHPフレームワークやライブラリの開発経験です。
PHPフレームワークは、Laravel、CakePHP、FuelPHP、Symfony、CodeIgniter、ZendFramework、Phalcon、Slim、Yii、Flightがあります。
特にLaravel、CakePHP、FuelPHP、ZendFramework、Symfonyはフリーランス案件・求人も多いため、PHPフリーランスエンジニアとして身に付けておくべきスキルでしょう。
また、トレンドのフレームワークやライブラリを扱えるスキルを身につけることで参画できるフリーランスエンジニアの幅が広がり単価アップにもつながります。
上流工程やマネジメント経験
PHPフリーランスエンジニアに必要なスキルは上流工程やマネジメント経験です。
PHPフリーランス案件・求人は小規模開発から大規模開発まで幅広く、開発を滞りなくに実行するためのマネジメント経験や、要件定義、設計スキル、レビュー、負荷試験などある方が参画しやすいです。
PHPフリーランスエンジニアとして、様々な経験をしているほど、高単価フリーランス求人・案件に参画しやすくなります。
PHPフリーランスエンジニアは未経験でもなれる?
この章ではPHPフリーランスエンジニアは未経験でもなれるのかどうかについて解説していきます。
未経験でも2つに分けられるでしょう。
PHP以外のプログラミング言語を活用し開発経験はある場合とエンジニア未経験でPHPフリーランスエンジニアに挑戦する場合です。
まず、PHP以外のプログラミング言語を活用し開発経験はある場合、PHPフリーランスエンジニアとしてPHPフリーランス案件・求人に参画することは可能でしょう。
PHPフリーランス案件・求人はPHP以外のプログラミング言語の開発経験があることを条件にしているもあるためです。
エンジニア未経験でPHPフリーランスエンジニアに挑戦する場合、非常に厳しいでしょう。
なぜならPHPをはじめとするフリーランス求人・案件の場合、参画するプロジェクトや企業側は即戦力のエンジニアを必要としていることが多く、実務開発経験や開発スキルに注力してアサインしているためです。
PHP未経験からPHPフリーランス求人・案件への参画を検討している方は、以下の行動をまず考えてみましょう。
・PHPを取り扱っているプログラミングスクールへ通う
・派遣社員、契約社員、正社員などの求人・案件にエントリーし、2~3年ほどPHP開発経験を積む
PHPを取り扱っているプログラミングスクールへ通う方は、「プログラミングスクール PHP」や「PHP プログラミングスクール」などを検索すると良いでしょう。
PHP未経験として派遣社員、契約社員、正社員などの案件にエントリーを検討している方は、派遣社員、契約社員、正社員のPHP案件を探すことが出来る大手求人サイトやIT業界に特化した就職エージェントを活用しましょう。
PHPフリーランス案件・求人獲得方法
この章ではPHPフリーランス案件・求人獲得方法について解説します。
PHPフリーランスエンジニアとして効率良く案件を獲得できるように参考にしてください。
フリーランスエージェントの活用
SNSで捜索
知人からの案件・求人紹介
クラウドソーシングサービスの活用
フリーランスエージェントの活用
PHPフリーランスエンジニアは、フリーランスエージェントを活用することにより案件を効率良く獲得できます。
フリーランスエージェントはPHPフリーランスエンジニアが希望する案件の紹介以外にも、契約や税金関連のサポート、福利厚生など手厚いサポートが魅力的です。
PHPフリーランスエンジニアはぜひフリーランスエージェントを活用してみることをおすすめします。
SNSで捜索
PHPフリーランスエンジニアは、SNSで捜索をすることにより案件獲得できます。
SNSを利用してフリーランス案件・求人を探すことも多いです。
近年では、SNSを活用し企業が直接求人を出していたり、個人での案件を出していたり幅広いジャンルのフリーランス案件・求人を探すことができます。
また、仲介業者を挟まない直接契約であるため報酬やスケジュールの交渉は行いやすいです。
しかし、その反面自身で契約やマネジメントを行う必要がありフリーランス経験が浅いPHPフリーランスエンジニアにはおすすめできません。
知人からの案件・求人紹介
PHPフリーランスエンジニアは、知人からの紹介をしてもらうことにより案件・求人獲得できます。
元々エンジニアとして働いていた人の場合、前職の上司や同僚などIT業界にコネがあることも多いため、そこからフリーランス案件・求人に繋げることもできます。
知人からの紹介のため仲介料が発生することは少なく、比較的高単価でのフリーランス案件・求人受注ができるでしょう。
しかし、エンジニアの知人が少ない場合や前職が別業種でIT業界のコネクションが少ない場合、紹介してもうことが難しい方法のため未経験者の方にはおすすめできません。
クラウドソーシングサービスの活用
PHPフリーランスエンジニアは、クラウドソーシングサービスを活用することにより案件獲得できます。
最近ではクラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングサイトも多く存在してきており、利用者も増加傾向にあります。
クラウドソーシングサイトのメリットとしては手軽に案件が探せることや契約周りなどの手続きが不要であることが挙げられます。
しかし、フリーランス案件・求人数はフリーランスエージェントよりも少なく、単価の低い案件も多数あります。さらに、報酬の中から仲介手数料が引かれるため、受け取れる報酬額は低くものが多いでしょう。
そのため、エンジニア経験が浅く実績を作りたい方、契約周りの手続きを行いたくない方におすすめです。
PHPフリーランス案件・求人の将来性はどうなの?
この章ではPHPフリーランス案件・求人の将来性について解説します。
PHPフリーランスエンジニアとして続けていくべきなのか、フリーランスエンジニアを続けて問題ないのか、フリーランスエンジニアの将来性を見極めていきましょう。
PHPのニーズが減少することはないでしょう。
まずは、PHPの開発ニーズを分析してみましょう。
その理由として、PHPは世界中のエンジニアから人気のプログラミング言語かつ、技術としても安定しており、WordPressをはじめとし、PHPで開発されサービス、Webサイト、システムが非常に多いためです。
様々な開発に活用されていることを考慮すると、今後も需要が減ることはないでしょう。
次はIT市場を分析し、エンジニアのニーズがあるのかどうかを見ていきましょう。
Web市場調査会社Q-Success社によると、2021年2月の時点で約64.3%のサイトがCMSで作成されています。
特に日本ではその傾向が強く、使われているCMSの82.8%はWordPressであることがわかっています。
Q-Success社のデータでは、2021年2月の時点で世界シェア35.7%から、2021年2月には40.0%となっており、CMSの利用規模拡大はWordPressが牽引しているといえるでしょう。
CMSを利用したWebサイトは長期的に増加し続けており、今後も利用規模が拡大する可能性が高いでしょう。つまり、WordPressの開発で使用されているPHPの利用も今後拡大していく可能性が高いでしょう。
さらに、IT業界全体を見てみるとAI(人工知能)、ビッグデータ、ブロックチェーン、IoT、xR、5GによるIT業界の更なる拡大や、エンジニアの高齢化、フリーランス人口増加などの要因により、PHPエンジニアを含むITエンジニアは人材不足に陥る可能性が高いです。
開発ニーズや市場動向などを分析した結果、PHPフリーランスエンジニアのニーズは減少することはないと言えるでしょう。
まとめ
今回は世界で人気がありかつ多くのシステムやサービス、Webサイトに使用されているPHPに焦点を当て、PHPフリーランスエンジニアの単価相場、必要スキル、将来性など様々な観点から詳しく解説しました。
長年の実績と信頼により安定性のあるPHPは、Webサイト制作やWebサービス開発、システム開発など様々な場面で利用されており、PHPフリーランスエンジニアの需要も安定しています。
PHPフリーランスエンジニアの将来性について、今後エンジニアとして長く活躍するのであればPHP開発の際に頻繁に使用するスキルなど、複数スキルを身に付けることも大切です。
本記事が多くのPHPフリーランスエンジニアやPHPに興味のあるエンジニアにとって、お役に立てましたら幸いです。